池袋まで30分、交通アクセス抜群のベッドタウン。埼玉県富士見市の魅力と不動産市況

不動産売買_関連 市場/相場_関連 暮らし/法律/その他

富士見市は埼玉県の南西部、さいたま市中心部まで約10km、東京都心まで約30kmに位置する市です。東武東上線のTJライナーを使えば池袋まで約20分。ららぽーと富士見など大型ショッピングモールもあり、若いファミリー世帯の流入が続く人気の街です。

目次

1.富士見市の人口は4%増、世帯数は14%増

そんな富士見市の人口は、約11万人、世帯数は約5万4,000世帯。最近10年間の人口は4%増、世帯数は14%増となっています。年間の転入出者数は、転入者が約700人上回っています。

1-1.人口・世帯数(2022/12/31 現在)

人口 112,839人
世帯数 54,432世帯

1-2.人口・世帯数の推移

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
人口 108,469 109,164 110,045 110,398 110,886 111,167 111,620 112,211 112,420 112,839
世帯数 47,562 48,354 49,216 49,843 50,545 51,216 52,054 53,051 53,683 54,432

※各年 前年 12月31日現在(富士見市ホームページ)

1-3.転入・転出(2022年中)

転入者数 6,328人
転出者数 5,600人

※出典:2022年 人口移動報告(総務省)

2.埼玉県富士見市の不動産情報

2-1.土地の価格は、㎡あたり23~26万円。緩やかな上昇傾向が続く

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。富士見市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、㎡あたり23~26万円で、最近10年間では緩やかな上昇傾向が続いています。なお、2017年に大きく上昇しているのは、この年に地価の高い基準地点が追加されたためで、相場が急上昇したわけではありません。

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

富士見市全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2023年) 232,916円
基準地価(2022年) 258,400円

公示・基準地価の推移(平均/㎡)

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
公示

地価

187,450円 187,450円 188,594円 213,505円 217,672円 223,450円 228,450円 225,055円 226,000円 232,916円
基準

地価

194,144円 195,588円 197,366円 240,946円 247,561円 253,869円 252,323円 253,015円 258,400円

マップでご覧いただけるように、市内には東武東上線の3つの駅(みずほ台駅・鶴瀬駅・ふじみ野駅)があり、駅から近い住宅地で20~25万円/㎡前後、少し離れると10万円/㎡台の後半、国道254号線より東では10万円/㎡を切るエリアも見られます。

2-2.新設住宅着工戸数は約900戸。賃貸住宅が全体の約半数を占める

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。富士見市で2022年中に新築された建物は887戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が20%、貸家(賃貸住宅)が44%、分譲住宅が32%と、賃貸が全体の約半数を占めます。分譲住宅の内訳としては、一戸建が268戸(96%)、マンションが11戸(9%)と、ほとんどが一戸建ですが、年によって100~150戸程度の新築マンションが供給されることもあります。

■富士見市の新設住宅着工戸数(2022年)

持ち家 179戸
貸家 429戸
給与住宅 0戸
分譲住宅 279戸
887戸

2-3.富士見市の住宅着工数は10年間でマイナス28%

富士見市の住宅着工数は最近10年間でマイナス28%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス51%、分譲住宅がマイナス33%、賃貸住宅がマイナス4%と、注文住宅が大きく減少しています。一方、分譲一戸建は11%の減少にとどまっており、年250~300戸ほど安定供給されています。

富士見市の新設着工戸数

2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
持ち家 368戸 205戸 229戸 201戸 198戸 194戸 178戸 171戸 272戸 179戸
貸家 447戸 378戸 490戸 378戸 382戸 514戸 332戸 241戸 354戸 429戸
給与住宅 0戸 2戸 29戸 2戸 1戸 1戸 1戸 0戸 0戸 0戸
分譲住宅 417戸 339戸 174戸 232戸 313戸 506戸 231戸 207戸 488戸 279戸
総計 1,232戸 924戸 922戸 813戸 894戸 1,215戸 742戸 619戸 1,114戸 887戸

※出典:国土交通省 住宅着工統計

2-4.埼玉県富士見市の不動産価格。新築は3,000万円代後半~4,000万円台が相場

富士見市の新築マンションは3,000万円台後半~4,000万円代が中心で、㎡単価は60万円くらいが相場のようです。

中古マンションは、築15年以内で平均3,801万円(60.3万円/㎡)、築15~25年で平均4,017万円(50.1万円/㎡)、築25年超で平均1,962万円(28.9万円/㎡)前後となっています。

一戸建については、新築が4,213万円、中古は築15年以内で平均3,808万円、築25年以内で2,856万円、築25年超は2,125万円となっています。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内で平均28.7万円/㎡、徒歩20分以内なら19.1万円/㎡、徒歩20分超で10.5万円/㎡と駅からの距離によって大きく相場が異なります。

(1)中古マンション

販売価格(万円) 専有面積(㎡) ㎡単価(万円)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 平均
築15年以内 4,140万円 3,280万円 3,801万円 73㎡ 53㎡ 64㎡ 60.3万円
築15~25年 6,200万円 2,200万円 4,017万円 112㎡ 57㎡ 80㎡ 50.1万円
築25年 超 5,780万円 418万円 1,962万円 105㎡ 41㎡ 65㎡ 28.9万円

(2)一戸建

販売価格(万円) 土地面積(㎡) 建物面積(㎡)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 最大 最小 平均
新築 5,890万円 2,280万円 4,213万円 222㎡ 49㎡ 97㎡ 127㎡ 51㎡ 98㎡
築15年以内 6,300万円 1,980万円 3,808万円 195㎡ 58㎡ 103㎡ 154㎡ 58㎡ 94㎡
築15~25年 4,280万円 1,480万円 2,856万円 227㎡ 49㎡ 108㎡ 151㎡ 64㎡ 103㎡
築25年 超 7,200万円 278万円 2,125万円 273㎡ 46㎡ 94㎡ 148㎡ 40㎡ 81㎡

(3)土地

販売価格(万円) 土地面積(㎡) ㎡単価(万円)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 平均
徒歩10分以内 5,980万円 200万円 2,675万円 166㎡ 37㎡ 86㎡ 28.7万円
徒歩10分~20分 4,280万円 400万円 1,941万円 545㎡ 38㎡ 112㎡ 19.1万円
徒歩20分超・バス 5,180万円 350万円 1,649万円 1,574㎡ 29㎡ 228㎡ 10.5万円

※REINS(不動産流通標準情報システム) 2023年6月のデータをもとに集計

~埼玉県富士見市の物件を見る~

3.富士見市の待機児童数は21人。低年齢児の待機児童解消が課題

富士見市には、11校の公立小学校、6校の公立中学校、1校の公立高校があります。市内に大学はありませんが、埼玉県内や都内への通学も十分可能です。未就学児については、幼稚園・保育園・認定こども園等あわせて約40施設があります。

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

公立 私立
幼稚園・保育園・認定こども園等 15施設 27施設
小学校 11校 0校
中学校 6校 0校
高等学校 1校 0校
大学・短大 0校 0校

3-2. 待機児童数(2022年4月現在)

待機児童数(国基準) 21人

富士見市の2022年4月現在の待機児童数は21名となっており、県内でワースト4位ですが、前年の30人からは減少しており改善傾向が見られます。待機児童は0~2歳の低年齢児で、3歳以上の待機児童はゼロとなっていますが、小さなお子様がいる方は、念のため市役所等に確認してみるとよいでしょう。

0歳 1歳 2歳 3歳 4歳以上
3人 15人 3人 0人 0人

4.埼玉県富士見市の住まい探しは、雰囲気の異なる3つの駅、どこを選ぶかがポイント

富士見市は、都心から約30km、埼玉県の南西部に位置する市でさいたま市、川越市、ふじみ野市などと接しています。

市街地は東武東上線の通る市の南西部に集中しており、北東部は、荒川と新河岸川が流れ、水田が広がる低地となっています。

富士見市には3つの駅があり、中心駅の鶴瀬駅からは池袋まで約30分、東京メトロ副都心線との直通運転により、渋谷駅まで約50分で行くことができます。また副都心線から東急東横線直通のFライナーを使えば元町・中華街までダイレクトにアクセスすることも可能です。

そして、富士見市の暮らしとイメージを大きく変えるきっかけになったのが、2015年にオープンした「ららぽーと富士見」で、約300店のテナント、スーパー、映画館などがあり、市外からも多くの人が訪れる富士見市の顔となっています。

ららぽーと富士見以外にも、トナリエふじみ野、ふじみ野ナーレなどの商業施設、東武ストア、ベルク、ヤオコーなど地域のスーパーや昔ながらの商店街なども数多くあり、ほとんどの買い物は市内で済ませることができます。

■ららぽーと富士見

出典:Wikipedia

都心部まで直通で30分~1時間というアクセスの良さと、買い物などの利便性の高さが、子育てファミリーが富士見市に住む大きな魅力となっています。

そんな富士見市での住まい探しは、東武東上線の3駅からどのエリアを選ぶかがポイントになります。

3駅の中で、もっとも歴史が古い鶴瀬駅は富士見市の中心駅で、市役所などの行政機関やららぽーと富士見への最寄り駅でもあります。1914(大正3)年に開業した歴史ある駅だけに、周辺には成熟した住宅街が形成されており、駅近にはマンション、少し離れると一戸建を中心とした街並みが広がっています。また、鶴瀬駅東口エリアでは、現在大規模な再開発がおこなわれており、駅前広場から、ららぽーと富士見に至る広々とした駅前通りの整備、および周辺の区画整理が終わりつつあります。市の都市計画によれば、ららぽーと富士見周辺エリアは、行政機関、公園、商業施設、医療機関などの集まる「シティゾーン」と位置づけられており、鶴瀬駅東口につながるエリアで今後の発展が期待されます。

鶴瀬駅から1つ池袋寄り、1977(昭和52)年開業のみずほ台駅は、マンションや団地が多い住宅地で、大型商業施設がないため華やかさには欠けますが、静かで落ち着いた雰囲気の街です。駅周辺には中古マンションが多く流通しており、3駅の中ではもっとも相場が安いので、マンションをお探しの方や予算を抑えたい方は、みずほ台エリアを中心に物件探しを進めてみるとよいかも知れません。

3駅の中でもっとも新しいふじみ野駅は1993(平成5)年開業で、市内で唯一の急行停車駅です。また、東上線の座席指定列車「TJライナー」の停車駅で、池袋駅までノンストップで約20分、毎日座って通勤できるのが大きな魅力です。

駅前にはタワーマンションやトナリエふじみ野などのショッピングモールも充実し、若い子育てファミリーに人気のエリアとなっており、市の中心が鶴瀬駅からふじみ野駅に移りつつあると言えます。新しい駅なので、新築~築浅の物件も多く、隣接する上福岡駅(ふじみ野市)に至るエリアには広大な住宅地が形成されています。

大正、昭和、平成それぞれ開業時期が異なる3つの駅。どれを選ぶかで街並みや雰囲気も大きく変わってきます。ぜひ現地を訪れて、ご自身の目で比較し、物件探しを進めてみてはいかがでしょうか。

埼玉県富士見市の物件を探す