新築一戸建が3,000万円台から探せる街、武蔵村山市の魅力と不動産市況

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武蔵村山市は東京都の多摩エリア北部に位置する市です。北側は狭山丘陵を挟んで埼玉県に接し、西側は米軍横田基地を挟んで東京都福生市と接しています。東京で唯一、鉄道が通っていない市で、隣接市を通る西武拝島線や多摩モノレールが最寄駅となります。

目次

1.武蔵村山市の人口はほぼ横ばい、世帯数は9%増

そんな武蔵村山市の人口は、7万人、世帯数は約3万3,000世帯。最近10年間の人口はほぼ横ばい、世帯数は9%増となっています。年間の転入出者数は、転入が170人ほど上回っています。

1-1.人口・世帯数(2024/1/1 現在)

人口 71,018人
世帯数 32,890世帯

1-2.人口・世帯数の推移

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年
人口 72,092 72,243 72,238 72,489 72,546 72,382 72,023 71,872 71,296 71,018
世帯数 30,256 30,662 30,928 31,378 31,640 31,938 32,128 32,373 32,476 32,890

※各年1月1日現在(武蔵村山市ホームページ)

1-3.転入・転出(2023年中)

転入者数 2,845人
転出者数 2,669人

※出典:2023年 住民基本台帳人口移動報告(総務省)

2.東京都武蔵村山市の不動産情報

2-1.土地の価格は、㎡あたり12万円台。コロナ明けから上昇傾向が続く

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。武蔵村山市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、約12~13万円/㎡となっており、最近10年間は、2019年まで緩やかな上昇傾向が続き、コロナで一時的に下落したものの、コロナ明けの2022年から再び上昇傾向となっています。

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

武蔵村山市全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2024年) 126,710円
基準地価(2023年) 121,454円

公示・基準地価の推移(平均/㎡)

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年
公示

地価

122,629円 122,578円 122,894円 123,342円 123,815円 124,236円 122,078円 122,105円 124,157円 126,710円
基準

地価

119,090円 120,545円 120,909円 121,272円 121,636円 119,000円 118,818円 119,181円 121,454円

マップでご覧いただけるように、武蔵村山市には鉄道が乗り入れていないため、隣接市にある駅が最寄りとなります。西武拝島線の玉川上水駅、武蔵砂川駅に近いエリアと、多摩モノレールの桜街道駅、上北台駅の周辺(市の南東部)は、比較的地価が高く、15~16万円/㎡となっています。一方、最寄駅のない市の北西部は10~12万円/㎡と求めやすい価格となっています。

2-2.新設住宅着工戸数は約570戸。賃貸が約6割を占める

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。武蔵村山市で2023年中に新築された建物は574戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が18%、貸家(賃貸住宅)が57%、分譲住宅が25%と、賃貸住宅が全体の約6割を占めています。分譲住宅の内訳としてはすべて一戸建で、2011年以降の分譲マンション供給はありません。

■武蔵村山市の新設住宅着工戸数(2023年)

持ち家 104戸
貸家 324戸
給与住宅 1戸
分譲住宅 145戸
574戸

2-3.武蔵村山市の住宅着工数は10年間で29%増

武蔵村山市の住宅着工数は最近10年間でプラス29%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス26%、分譲住宅がマイナス9%、賃貸住宅がプラス122%と、賃貸の伸びが全体を押し上げています。全体としては、2018~2020年はコロナで大きく減少しましたが、2021年以降やや回復しています。着工数の変動が大きいように見えますが、賃貸住宅の供給数に大きく左右される傾向があり、注文住宅と分譲住宅は、それほど大きな変動はありません。

武蔵村山市の新設着工戸数

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
持ち家 140戸 136戸 162戸 164戸 178戸 130戸 191戸 153戸 102戸 104戸
貸家 146戸 124戸 712戸 574戸 110戸 27戸 77戸 592戸 377戸 324戸
給与住宅 0戸 0戸 0戸 0戸 1戸 0戸 9戸 1戸 3戸 1戸
分譲住宅 160戸 162戸 256戸 257戸 235戸 198戸 148戸 173戸 135戸 145戸
総計 446戸 422戸 1,130戸 995戸 524戸 355戸 425戸 919戸 617戸 574戸

※出典:国土交通省 住宅着工統計

2-4.東京都武蔵村山市の不動産価格。新築一戸建が3,000万円台から購入可能

前述の通り、武蔵村山市では新築マンションの供給がないため、マンションは中古物件を検討することになりますが、中古物件の流通量もそれほど多くありませんので、マンションをご希望の方は、近隣の立川市や福生市なども合わせて探してみましょう。相場としては築15年以内で2,270万円(29.9万円/㎡)、築25年以内で1,400万円(26.0万円/㎡)、築25年超で905万円(21.5万円/㎡)と、都内とは思えないほどリーズナブルです。

一戸建については、新築で3,598万円、中古は築15年以内で平均3,061万円、築25年以内で2,707万円、築25年超は2,563万円となっています。

最後に土地の相場については、調査時点で最寄駅から徒歩10分以内の売地はなく、徒歩20分以内が21.8万円/㎡、徒歩20分超で14.3万円/㎡となっています。

(1)中古マンション

販売価格(万円) 専有面積(㎡) ㎡単価(万円)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 平均
築15年以内 2,450万円 1,980万円 2,270万円 86㎡ 70㎡ 76㎡ 29.9万円
築15~25年 1,400万円 1,400万円 1,400万円 54㎡ 54㎡ 54㎡ 26.0万円
築25年 超 2,480万円 278万円 905万円 71㎡ 20㎡ 36㎡ 21.5万円

(2)一戸建

販売価格(万円) 土地面積(㎡) 建物面積(㎡)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 最大 最小 平均
新築 4,680万円 2,480万円 3,598万円 337㎡ 67㎡ 130㎡ 113㎡ 78㎡ 95㎡
築15年以内 5,880万円 1,990万円 3,061万円 227㎡ 90㎡ 128㎡ 106㎡ 71㎡ 92㎡
築15~25年 4,480万円 1,590万円 2,707万円 569㎡ 105㎡ 169㎡ 165㎡ 75㎡ 98㎡
築25年 超 8,800万円 780万円 2,563万円 962㎡ 67㎡ 208㎡ 198㎡ 64㎡ 104㎡

(3)土地

販売価格(万円) 土地面積(㎡) ㎡単価(万円)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 平均
徒歩10分以内
徒歩10分~20分 7,930万円 748万円 2,441万円 577㎡ 33㎡ 126㎡ 21.7万円
徒歩20分超・バス 16,500万円 880万円 2,615万円 1,454㎡ 76㎡ 210㎡ 14.3万円

※REINS(不動産流通標準情報システム) 2024年3月のデータをもとに集計

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3.武蔵村山市は待機児童数ゼロを達成。多摩エリアや都心部への通学も可能

武蔵村山市には、10校の公立小学校、6校の公立中学校、2校の公立高校と1校の私立高校があります。大学は市内に東京経済大学(武蔵村山キャンパス)がありますが、多摩エリアには多くの大学があるため、武蔵村山市に住みながら市外に通学する学生も多く、都心部への通学も可能です。

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

公立 私立
幼稚園・保育園・認定こども園等 0施設 20施設
小学校 10校 0校
中学校 6校 0校
高等学校 2校 1校
大学・短大 0校 1校

3-2. 待機児童数(2023年4月現在)

待機児童数(国基準) 0人

武蔵村山市は2023年4月現在、前年に引き続き、待機児童ゼロを達成しています。

4.東京都武蔵村山市の住まい探しは、隣接する福生市、東大和市などと合わせて進めてみよう

武蔵村山市の大きな特徴は、市内に鉄道が通っていないということです。つまり駅への移動はほとんどバスか自転車となり、交通の便の悪さは否めないところです。また、不動産市場としては、新築マンションの供給がほとんどないので、選択肢が中古マンションか一戸建に限定されてしまいます。したがって、このエリアで住宅購入を検討する際には、武蔵村山市だけでなく、周辺の立川市、東大和市、福生市などと合わせて探してみることをおすすめします。

そういった事情をわかった上で、武蔵村山市で住宅を購入するメリットとしては、やはり価格の安さかと思います。不動産価格の上昇が続く昨今、新築一戸建が3,000万円台から探せるエリアは都内ではそうそうありませんし、土地を購入して注文住宅を建てたい方にとっても、土地の安さは大きな魅力です。

都心への毎日の通勤は多少不便を感じるかもしれませんが、多摩エリアに通勤する方や、テレワーク主体の方にとっては、それほど不便を感じることはないのではないでしょうか。生活便についても、都内最大のイオンモール「イオンモールむさし村山」がありますし、少し足を延ばして立川か八王子まで行けば、ほとんどの買い物は済ませることができます。言ってみれば、「そこそこ便利」な街でありながら価格が安いところが武蔵村山の魅力だと思います。

■イオンモールむさし村山

出典:イオンモール公式サイト

また、北部の狭山丘陵には都内最大の都立公園である「野山北・六道山公園」もあり、カタクリの群生地やホタルの生息地など、貴重な里山の自然が広がっており、ハイキングや野鳥観察などを楽しむことができます。

■野山北・六道山公園

出典:野山北・六道山公園 公式サイト

鉄道・駅がないという不便さはありますが、その反面、いわゆる繁華街のような騒々しさもなく、治安もいい武蔵村山市。将来的には多摩モノレールの乗入れ構想もあるそうですのでご検討はお早めに。広い一戸建をリーズナブルに購入し、自然に囲まれてゆったりと暮らしたいという方にはおすすめの街です。ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。

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