再開発と相鉄線の都心乗入れで人気が続く、海老名市の魅力と不動産市況

不動産売買_関連 市場/相場_関連 暮らし/法律/その他

海老名市は神奈川県の県央部、都心から約50キロに位置する市です。東名高速道路の海老名サービスエリアで有名な海老名市ですが、鉄道も多く乗り入れており、中心となる海老名駅からは、特急・急行を使えば新宿まで約45分、横浜まで約25分と通勤・通学にも便利な街です。近年、海老名駅前の再開発や、相鉄線の都心乗入れでますます人気が高まっています。

目次

1.海老名市の人口は8%増、世帯数は17%増

そんな海老名市の人口は、約14万人、世帯数は約6万2,000世帯。最近10年間の人口は8%増、世帯数は17%増と大きく伸びています。年間の転入出者数は、転入が約740人上回っています。

1-1.人口・世帯数(2024/1/1 現在)

人口 140,172人
世帯数 62,047世帯

1-2.人口・世帯数の推移

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年
人口 129,443 130,249 130,688 131,412 132,824 134,073 136,699 137,523 139,538 140,172
世帯数 52,933 53,502 54,210 55,115 56,429 57,489 58,503 59,509 61,027 62,047

※各年1月1日現在(海老名市ホームページ)

1-3.転入・転出(2023年中)

転入者数 6,331人
転出者数 5,590人

※出典:2023年 住民基本台帳人口移動報告(総務省)

2.神奈川県海老名市の不動産情報

2-1.土地の価格は、㎡あたり約16~20万円。コロナ明けから上昇が加速

土地の価格(地価)については、毎年1月1日を基準とした「公示地価」と7月1日を基準とした「基準地価」が発表されています。海老名市における公示地価と基準地価の平均は以下の通りです。直近の平均地価としては、約16~20万円台/㎡となっており、最近10年間は緩やかな上昇傾向が続いていましたが、コロナ明けの2022年から上昇が加速しています。また公示地価と基準地価に差があるのは、公示地価の基準点に、駅前の商業地域など地価の高い地点が含まれているためです。

■公示地価、基準地価とは?

公示地価とは、地価公示法に基づき、国(国土交通省)が、毎年1月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。基準地価とは、国土利用計画法に基づき、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を判定して、1㎡あたりの単価として公表するものです。

同年の価格を比較した場合、公示地価よりも基準地価の方が半年遅れで公表されるため、より直近の取引価格を反映していると見ることができます。なお公示地価、基準地価はともに一般の土地の取引価格の指標等として使われていますが、あくまで指標であり、実際の取引価格とは異なりますのでご注意ください。

海老名市全体の地価平均(㎡あたり)

公示地価(2024年) 208,083円
基準地価(2023年) 161,341円

公示・基準地価の推移(平均/㎡)

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年
公示

地価

170,466円 173,143円 176,673円 179,917円 182,708円 186,121円 186,782円 188,013円 199,500円 208,083円
基準

地価

150,272円 151,636円 148,958円 150,583円 152,633円 153,600円 154,416円 156,233円 161,341円

マップでご覧いただけるように、小田急線の海老名駅~厚木駅周辺の地価が最も高く20~25万円/㎡くらい、JR相模線の社家駅、門沢橋駅周辺だと12~13万円/㎡くらい、また相鉄線のかしわ台駅〜さがみ野駅周辺は16〜20万円くらいが相場ですが、駅から離れると、5〜10万円/㎡と、リーズナブルなエリアも見られます。

2-2.新設住宅着工戸数は約1,000戸。一戸建とマンションがバランスよく供給

国土交通省が発表している新設住宅着工戸数について見てみましょう。海老名市で2023年中に新築された建物は1,002戸でした。内訳としては、持ち家(注文住宅)が20%、貸家(賃貸住宅)が39%、分譲住宅が41%となっています。分譲住宅の内訳としては、一戸建が178戸(44%)、マンションが228戸(56%)と、バランスよく供給されています。新築マンションの供給は年によりばらつきがありますが、一戸建は年200戸程度安定して供給されています。

■海老名市の新設住宅着工戸数(2023年)

持ち家 205戸
貸家 391戸
給与住宅 0戸
分譲住宅 406戸
1,002戸

2-3.海老名市の住宅着工数は10年間で6%増。分譲住宅が大きく伸びる

海老名市の住宅着工数は最近10年間でプラス6%となっています。内訳としては、注文住宅がマイナス20%、分譲住宅がプラス59%、賃貸住宅がマイナス10%と、注文住宅が減少し、分譲住宅が大きく伸びています。コロナや都心部の価格上昇による郊外人気で、着工数も1,000~1,500戸をキープしています。

海老名市の新設着工戸数

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
持ち家 255戸 383戸 351戸 330戸 289戸 268戸 234戸 310戸 240戸 205戸
貸家 433戸 612戸 564戸 544戸 535戸 493戸 260戸 346戸 436戸 391戸
給与住宅 0戸 0戸 0戸 0戸 0戸 0戸 0戸 0戸 0戸 0戸
分譲住宅 256戸 171戸 682戸 1,188戸 666戸 304戸 823戸 394戸 1,007戸 406戸
総計 944戸 1,166戸 1,597戸 2,062戸 1,490戸 1,065戸 1,317戸 1,050戸 1,683戸 1,002戸

※出典:国土交通省 住宅着工統計

2-4.神奈川県海老名市の不動産価格。新築マンションは5,000万円台後半~6,000万円台が中心

海老名市で販売されている新築マンションは、立地や広さにより差があるものの、5,000万円台後半~6,000万円台、㎡単価は80万円台が中心のようです。

中古マンションは、築15年以内で平均6,193万円(80.1万円/㎡)、築15~25年で平均3,713万円(45.6万円/㎡)、築25年超で平均1,602万円(29.1万円/㎡)前後が相場です。新築マンションの価格上昇の影響を受け、築浅の中古マンションも年々値上がりしています。

一戸建については、新築で4,378万円、中古は築15年以内で平均4,077万円、築25年以内で3,718万円、築25年超は5,737万円となっています。マンションほど築年数による価格差がないように見えますが、一戸建は築古物件ほど土地面積が広くなる傾向があるので、土地が広い物件をお探しの方は築年数の古いものを探してみるのもいいかもしれません。

最後に土地の相場については、最寄駅から徒歩10分以内なら平均20.0万円/㎡、徒歩20分以内なら22.7万円/㎡、徒歩20分超で18.8万円/㎡となっています。

(1)中古マンション

販売価格(万円) 専有面積(㎡) ㎡単価(万円)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 平均
築15年以内 8,380万円 2,980万円 6,193万円 89㎡ 61㎡ 78㎡ 80.1万円
築15~25年 6,700万円 2,599万円 3,717万円 102㎡ 68㎡ 82㎡ 45.6万円
築25年 超 3,980万円 320万円 1,602万円 116㎡ 15㎡ 57㎡ 29.1万円

(2)一戸建

販売価格(万円) 土地面積(㎡) 建物面積(㎡)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 最大 最小 平均
新築 5,980万円 3,180万円 4,378万円 215㎡ 54㎡ 107㎡ 141㎡ 77㎡ 99㎡
築15年以内 5,980万円 3,140万円 4,077万円 182㎡ 52㎡ 109㎡ 125㎡ 75㎡ 97㎡
築15~25年 7,980万円 2,280万円 3,718万円 273㎡ 58㎡ 124㎡ 286㎡ 77㎡ 117㎡
築25年 超 16,000万円 780万円 5,737万円 430㎡ 51㎡ 198㎡ 976㎡ 52㎡ 289㎡

(3)土地

販売価格(万円) 土地面積(㎡) ㎡単価(万円)
最大 最小 平均 最大 最小 平均 平均
徒歩10分以内 6,800万円 550万円 3,098万円 403㎡ 69㎡ 186㎡ 20.0万円
徒歩10分~20分 7,500万円 1,480万円 2,838万円 265㎡ 56㎡ 129㎡ 22.7万円
徒歩20分超・バス 5,780万円 1,080万円 2,681万円 409㎡ 61㎡ 154㎡ 18.8万円

※REINS(不動産流通標準情報システム) 2024年3月のデータをもとに集計

~ 神奈川県海老名市の物件を見る ~

海老名市の物件を見る

3.海老名市の待機児童数は13人。神奈川県内、都内への通学も可能

海老名市には、13校の公立小学校、6校の公立中学校、3校の公立高校があります。大学を含め市内に私立学校はなく、横浜市や都内へ通学する方が多いようです。

3-1.幼稚園・保育園・学校の数

公立 私立
幼稚園・保育園・認定こども園等 3施設 45施設
小学校 13校 0校
中学校 6校 0校
高等学校 3校 0校
大学・短大 0校 0校

3-2. 待機児童数(2023年4月現在)

待機児童数(国基準) 13人

海老名市の2023年4月現在の待機児童数は13人でした。数年前よりは減少しているものの、前年の12人から1人増加していますので、小さなお子様のいる方は、念のため市役所等に問い合わせてみるとよいでしょう。

4.神奈川県海老名市の住まい探しは、市内を4つのエリアにわけて検討してみよう

海老名と言えば海老名サービスエリアで知名度は高いものの、2015年ごろまでは「住む街」として意識されることは少なかった街です。しかし近年、海老名のイメージはガラリと変わり、ファミリー世帯に人気の街として人口が急増しています。

きっかけとなったのは、海老名駅周辺の再開発です。2015年、「ららぽーと海老名」のオープンを皮切りに、翌年には小田急・相鉄海老名駅とJR海老名駅を結ぶエリアの大規模な再開発に着手。「憩う」「くらす」「育む」をコンセプトとした駅前複合施設『ViNA GARDENS(ビナガーデンズ)』には、公共施設、タワーマンション、オフィス、商業施設、などが順次オープンし、2025年の事業完成に向けて現在も開発が進められています。この「ViNA GARDENS」によって、東口の「ビナウォーク」と西口の「ららぽーと海老名」を含む、駅周辺のエリアが統合され、住居、ショッピング、ビジネスの一大ゾーンが形成されています。

■ViNA GARDENS

出典:ViNA GARDENS公式サイト

また、再開発に合わせて、交通アクセスも大きく改善されています。もともと海老名はJR相模線、小田急線、相鉄線の3路線が乗り入れるターミナル駅ですが、2016年に小田急線の特急ロマンスカーが海老名駅に停車するようになり、2019年の11月には、念願だった相鉄線とJRとの相互直通運転が、2023年3月には相鉄線と東急東横線との相互直通運転が開始され、都心部へのアクセスが飛躍的に向上しました。

■相鉄線の交通アクセス

出典:相鉄線公式サイト

海老名市での不動産購入は、まずどのエリアに住みたいかを中心に検討してみましょう。海老名市を大きく4つに分けると、以下のようになります。

①中央エリア: 海老名駅、厚木駅の周辺エリア

②北部エリア: 相鉄線のかしわ台駅、さがみ野駅周辺エリア

③西部エリア: JR相模線の社家駅、門沢橋駅周辺の西側エリア

④南東エリア: 南東部の車中心のエリア

中央エリアは、駅周辺に商業施設も多く、またJR、小田急、相鉄線の3線が乗り入れているため交通アクセスも申し分ありません。マンション・一戸建ともにおすすめのエリアと言えますが、価格は最も高くなります。

北部エリアは、相鉄線のJR・東急との直通運転により人気が高まっているエリアで、駅周辺には良好な住宅地が形成されています。建売や注文住宅など一戸建を購入したい方にはおすすめのエリアです。

西部エリアは、JR相模線沿線となるため、都心方面に行くには海老名駅で乗り換える必要があり、やや利便性が落ちますが、その分自然が多く残り、価格もリーズナブルになってきます。

南東部エリアは、車中心の方向けのエリアとなります。高速道路や主要道にも近く、価格もリーズナブルなので、広めの一戸建を購入してゆったり暮らしたい方にもよいと思います。

まずは、今後ますます発展が期待できる中央エリア、北部エリアから物件探しをはじめ、予算と相談しながら西部エリアも検討してみるとよいのではないでしょうか。

海老名市は、交通アクセスのよさや再開発により、ここ数年ファミリー層の流入が増えていましたが、それに加えて、都心の価格上昇の影響もあり、さらに人気が高まっています。価格も上昇傾向が続いていますので、購入を検討される方は少し急いだほうがよいかも知れません。

ファミリー世帯の流入が多く、将来の発展も楽しみな海老名市、一度現地の不動産会社で情報収集してみることをおすすめします。

神奈川県海老名市の物件を探す